Container Station クイックスタートガイド

最終更新日: 2025-02-12
  • Container Station とは?

    • ユースケース

  • システム要件

  • 開始する前に

  • コンテナを作成

    • Docker コンテナを作成またはインポート

    • LXD コンテナを作成またはインポート

    • イメージをプルまたはインポート

  • コンテナとイメージアクションの管理

  • Kubernetes クラスターの管理

    • Kubernetes のセットアップと利用

    • Kubernetes クラスターの管理

  • レジストリの設定と管理

    • イメージレジストリを追加

    • デフォルトレジストリを管理

  • アプリケーションオプションの設定

    • ネットワーク設定の管理

    • 証明書設定を行う

  • 参考文献と情報源

本ガイドは、QTS 5.1.0、QuTS hero h5.1.0、QuTScloud c5.1.0 およびそれ以降のバージョンに適用されます。

Container Station とは?

Container Station は、QNAP が開発した仮想化プラットフォームで、QNAP デバイス上でコンテナ化されたアプリケーションを簡単にデプロイし、管理できるようにするものです。このアプリケーションは、Docker コンテナおよび LXD コンテナをサポートし、アプリケーションおよびサービスを最適なリソース効率で実行するための、軽量で隔離された環境を提供します。

ユースケース

  • コンテナを用いたクラウドネイティブ アプリケーションのデプロイ
  • 開発およびテスト実施のための、隔離されたオペレーティングシステムの実行
  • Web サーバーやデータベースなどの仮想化されたサービスのホスト
  • ひとつの QNAP デバイス上で、複数のコンテナ化環境を維持

システム要件

Container Stationをインストールして使用する前に、お使いの QNAP デバイスが最小システム要件を満たしていることが不可欠です。この要件は、使用する予定のコンテナプラットフォーム タイプ (Docker、Kata、LXD) に応じて変わります。それぞれのプラットフォームには、プロセッサーアーキテクチャ、メモリ容量、サポートされるオペレーティングシステムなど必要となるリソースが異なります。

システム要件DockerKataLXD
CPU アーキテクチャ
  • x86 または ARM プロセッサーの 64 ビットデバイス
  • ARM プロセッサーの 32 ビットデバイス
  • x86 プロセッサーの 64 ビットデバイス
  • x86 または ARM プロセッサーの 64 ビットデバイス
メモリ
1GB
4GB
2GB

開始する前に

  • 管理者として機器にログインします。
  • Container Station がインストールされていることを確認してください。
  • お使いのデバイスが、デフォルトゲートウェイを用いて外部ネットワークに接続されていることを確認してください。
  • お使いの QNAP デバイスのファームウェアが最新であることを確認してください。

コンテナを作成

Docker コンテナを作成またはインポート

Docker Hub からイメージを選択、または既存の Docker コンテナをローカルシステムあるいは QNAP デバイスからインポートして、新しい Docker コンテナを作成します。コンテナ名、オートスタートポリシー、ネットワーキングオプションなどの設定を行います。

  1. Container Station を開き、[コンテナ]メニューに進みます。
  2. [作成]をクリックします。
  3. [Docker Hub](基本モード) または [Docker イメージ] (詳細モード) を選びます。
  4. 基本モードでイメージ名とバージョンを指定するかまたは、詳細モードでイメージ名とレジストリを指定します。
    例:
    • 基本モード:nginx:1.25.2
    • 詳細モード: registry.hub.docker.com/library/postgres
  5. [コンテナを作成する前にレジストリからイメージをプル]を選択します。
  6. [次へ]をクリックし、基本設定と詳細設定を行います。
  7. 設定を確認するには[次へ]を、コンテナを作成するには[完了]をクリックします。

LXD コンテナを作成またはインポート

LXD イメージを選択して新しいコンテナを作成、あるいはローカルシステムまたは QNAP デバイスから LXD コンテナをインポートします。コンテナの名前やストレージ、オートスタートポリシーなどのカスタム設定を行います。

  1. Container Station を開き、[コンテナ]メニューに進みます。
  2. [作成]をクリックします。
  3. LXD イメージサーバー (基本モード) または LXD イメージ (詳細モード) を選択します。
  4. 基本モードでイメージ名とバージョンを指定するかまたは、詳細モードでイメージ名とレジストリを指定します。
    例:
    • 基本モード: ubuntu:22.04
    • 詳細モード: images:ubuntu/22.04
  5. [コンテナを作成する前にレジストリからイメージをプル]を選択します。
  6. [次へ]をクリックし、基本設定と詳細設定を行います。
  7. コンテナ設定を確認してから、[次へ]をクリックします。
  8. コンテナを作成するには[完了]をクリックしてください。

イメージをプルまたはインポート

イメージのプル機能によりユーザーはオンラインレジストリからコンテナイメージをダウンロードでき、一方、イメージのインポート機能はローカルファイルまたはバックアップからイメージを直接ロードできます。

イメージのプルとインポートの主な違いは、以下の通りです。

  • イメージソース: プルはイメージをオンラインレジストリから取り出すのに対し、インポートはイメージをローカルに保存されているファイルから組み立てます。
  • 利用目的: プルはイメージを外部ソースからダウンロードするもので、インポートはイメージをローカルのバックアップまたはエクスポートからロードします。
  1. Container Station を開き、[探索]をクリックします。
  2. [イメージのプル]または[イメージのインポート]をクリックします。
  3. イメージ設定を構成します。

コンテナとイメージアクションの管理

Container Station でコンテナを管理および制御します。共通のアクションには、開始、停止、一時停止、再起動、コンテナの削除があります。コンテナログ、リソース利用、性能統計も見ることができます。

  1. Container Station で、[コンテナ]または[イメージ]に進みます。
  2. 次のリストから、管理するコンテナまたはイメージを選択します。
  3. [アクション]の下で、またはを選択します。
    注記
    コンテナ横の  は、このコンテナが Kubernetes クラスターで管理またはオーケストレーションされていることを示します。
  4. 次のコンテナ アクションのいずれかを行います。

    基本的なコンテナ ライフサイクル アクション

    アクション説明
    開始停止しているコンテナの実行を開始します。
    再起動稼働中または停止中のコンテナを再起動します。
    停止稼働中のコンテナを停止します。
    強制停止稼働中のコンテナを直ちに強制停止します。
    一時停止稼働中のコンテナを停止させずに一時的に中断 (halt) します。
    再開一時停止しているコンテナを再開させ、その処理を続行します。

    コンテナのインスペクションとインタラクション

    アクション説明
    検査コンテナの設定とステータスについての詳細情報を表示します。
    実行稼働中のコンテナ内部でターミナルコマンドを実行します。
    アタッチコンテナの標準入力/出力ストリームに接続します。

    コンテナの設定と管理

    アクション説明
    編集コンテナの設定とパラメーターを変更します。
    直接再作成停止しているコンテナを、その以前の設定を用いて再作成します。
    再作成更新されたせて値でコンテナを再作成します。
    複製既存のコンテナの複製を作成します。

    コンテナイメージとデータの管理

    アクション説明
    イメージの作成稼働中あるいは停止中のコンテナから、再利用可能イメージを作成します。
    エクスポート他のデバイスで利用できるように、コンテナをエクスポートします。
    削除システムからコンテナを削除します。
  5. いずれかのイメージアクションを実施します。

    イメージのインスペクションと管理

    アクション説明
    検査イメージの設定とプロパティについての詳細情報を表示します。
    使用中のコンテナ特定のイメージを用いているコンテナのリストを表示します。

    イメージのタグ付けとバージョニング

    アクション説明
    タグ特定のイメージに対して、タグ (バージョン) を割り当て、あるいは変更します。

    イメージのダウンロードとアップロード

    アクション説明
    プルContainer Station にレジストリからイメージをダウンロードします。
    レジストリにプッシュ後で利用するために、イメージをレジストリにアップロードします。
    直接プッシュ中間手順なしに、イメージをレジストリにアップロードします。

    イメージのエクスポートと削除

    アクション説明
    エクスポートバックアップまたは転送のために、イメージをローカルシステム、または QNAP デバイスに保存します。
    削除領域を空ける、または未使用リソースを解放するために、システムからイメージを削除します。

Kubernetes クラスターの管理

Kubernetes のセットアップと利用

Container Station 内で軽量 K3s クラスターを用意することで、Kubernetes のサポートを有効にします。Kubernetes ダッシュボードあるいは kubectl コマンドを利用して、Kubernetes ワークロードをデプロイし、アプリケーションを管理します。

  1. Container Station を開き、[Kubernetes]セクションに進みます。
  2. [K3s 軽量 Kubernetes を有効にする]を選択します。
  3. 任意: [Kubernetes システムコンテナを表示する]を有効にします。
  4. [適用]をクリックして、設定をファイナライズします。
  5. ワークロードの監視と管理のために、提供されている URL を用いて Kubernetes ダッシュボードにアクセスします。

Kubernetes クラスターの管理

クラスターの開始、停止、リセットで Kubernetes クラスターをコントロールし、そのステータスを表示します。Kubernetes 環境で稼働中の、クラスターリソースを管理し、コンテナワークロードを監視します。

  1. Container Station を開き、[Kubernetes]セクションに進みます。
  2. kubeconfig ファイルをダウンロードします。
  3. Kubernetes ダッシュボード URL をクリックします。
    Container Station が、新しいタブで Kubernetes Webページを開きます。
  4. Kubernetes トークンを入力、あるいは Kuberconfig ファイルをアップロードしてから、[サインイン]をクリックします。
  5. コンテナ化アプリケーションをデプロイ詳細は、Kubernetes ドキュメンテーションページのコンテナ化アプリケーションをデプロイを参照してください。

レジストリの設定と管理

Container Station により、Docker、Harbor、その他のレジストリタイプなど、さまざまなデフォルトイメージレジストリを管理できるようになり、コンテナイメージのセキュアな保存と取り出しが可能になります。このアプリケーションは、2つの予約済みシステムデフォルトレジストリ (Docker Hub および LXD イメージサーバー) も提供します。

イメージレジストリを追加

  1. メニューで[レジストリ]に進みます。
  2. [作成]をクリックすると、レジストリの追加ウィンドウが開きます。
  3. 次の設定をします。
    1. 名前:レジストリの名前を入力します。
    2. URL: レジストリ URL を入力します。
    3. 認証: これを有効にして、ユーザー名とパスワードを指定します。
    4. SSL 自己署名証明書を信頼する: SSL 証明書が信頼されている認証局によって署名されていない場合は、このオプションを選択します。
  4. 任意: [接続のテスト]をクリックして、接続を検証します。
  5. [適用]をクリックして、イメージを追加します。

デフォルトレジストリを管理

  • Docker Hub 認証を有効にする: Docker Hub セクションの、[認証]の隣にあるトグルスイッチを有効にし、ユーザー名とパスワードを指定し、[適用]をクリックします。
  • カスタムレジストリを編集: レジストリ横にあるアクションカラムで、 > [編集]をクリックし、設定を変更します。
  • カスタムレジストリを削除: レジストリを削除するには、> [削除]をクリックします。複数のレジストリに対しては、それぞれを選択してから、[アクション] > [削除]をクリックします。

アプリケーションオプションの設定

ネットワーク設定を管理し、Docker および LXD 両コンテナの IP 範囲、DNS 設定、ネットワークブリッジなど、コンテナのネットワーク設定を行い、カスタマイズします。さらに、このページで、特定の QNAP コンテナ化アプリケーションの IP 設定を調整することもできます。Container Station 依存の QPKG アプリケーションに対するネットワーク設定は、ここでも設定することができ、一箇所でコンテナとアプリケーションレベルのネットワーキングの両方を管理できます。

ネットワーク設定の管理

  1. Container Station の[環境設定]に進みます。
  2. メニューから、[ネットワーク設定]を選びます。
  3. Docker と LXD コンテナに対し、IP アドレス範囲を設定します。
  4. コンテナ通信のために、DNS サーバーとブリッジネットワークを設定します。
  5. 設定を保存するために、[適用]をクリックし、Container Station を再起動します。

カスタムアプリテンプレートを追加

カスタムアプリテンプレートを追加することにより、Container Station 内で利用可能になっている追加されたアプリケーションの一覧を作ることができるようになります。

  1. Container Station を開始します。
  2. メニュー上で、[環境設定]をクリックします。
  3. [アプリテンプレート]に進みます。
  4. [カスタムテンプレートを有効にする]を選択します。
  5. カスタムアプリテンプレートに URL を指定します。
  6. [適用]をクリックします。
注記
設定によっては、URL に設定する Web サーバーの IP アドレスとポート番号が必要になります。例:http://[IP_Address]:[Port]/my-template-file.json

このプロセスでは、利用可能なアプリケーションを自身のニーズに合わせるために、Container Station 内のアプリオプションを拡張することができるようになります。

証明書設定を行う

Docker 証明書は、Docker のクライアントとサーバー感の通信をセキュアにするために欠かせないもので、データ転送を暗号化し、接続を認証します。このガイドは、セキュアな Docker 環境のために、QNAP Container Station の証明書設定を行う方法を解説します。

  1. Container Station を開き、[環境設定]に進んで、[証明書]タブをクリックし、証明書設定にアクセスします。
  2. [ダウンロード]ボタンをクリックして、セキュア接続に必要な証明書ファイルを取得します。
  3. ディレクトリを作成し (~/.docker)、コマンド unzip cert.zip -d ~/.docker を使用してダウンロードした証明書を解凍します。
  4. export DOCKER_HOST=tcp://<IP_ADDRESS>:2376 DOCKER_TLS_VERIFY=1 を実行して Docker 環境を設定し、 <IP_ADDRESS> を適切な値に入れ替えます。
  5. ドメイン名が設定した証明書 (たとえば 1234.myQNAPcloud.com) にマッチすることを確認し、最終変更日を見て更新がタイムリーに行われていることを確かめます。

参考文献と情報源

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