Veeam Backup & Replication を用いた QNAP ES NAS のバックアップ
概要
企業ユーザーにとってストレージは常に重要な役割を担っています。情報システムが中断することなくサービスされるために、企業は自社のIT環境をバックアップする手段を構築しておく必要があります。
QNAP ES NASは、「SnapSync」と呼ばれるバックアップ機構を備えています。詳細な説明は、このアプリケーションノートをご覧ください。
QNAP Enterprise Storage の SnapSync を利用し、iSCSI LUN と共有フォルダーをリモート複製する方法
QNAP ES NAS (Symantec BE、Veeam、NAKIVOを含みます) 用としてサードパーティ製のバックアップソリューションがご利用いただけます。Veeam Backup & Replicationは、VMware vSphereおよびMicrosoft Hyper-Vハイパーバイザーを使用する仮想マシンに対して復元と複製の機能を提供します。
Veeam Backup & Replicationは、Veeam Availability Suiteバンドル (これは監視、レポーティング、キャパシティプランニング用のVeeam ONEを含みます) の一部として位置づけられるものですが、スタンドアロン製品としてもインストール可能です。これには、提供される機能の段階に応じて3種類のエディションがあります。この製品は購入したCPUソケットの数でライセンスされます。
本書は、QNAP ES NASストレージシステムに展開されるVeeam Backup & Replicationを使うためのステップバイステップガイドです。
始める前に
定義:
- Veeam BRは、Veeam Backup & Replicationの略
注意:
- このアプリケーションノートは、共有フォルダーとiSCSI LUNをアクセスするべくActive Directory環境において、Windows Server 2012R2 (VMware ESXi 6.5上の仮想マシン) でVeeam BR 9.5を用いて記述され、テストされています。
- このアプリケーションノートは、Veeam BRとQNAP NASの接続について記述しています。このバックアップソフトウェアのあらゆる使用法を説明しているわけではありません。
- このアプリケーションノートでは、ドメインとして「axellab.local」を使用します。この例は、お客様のドメイン情報に合わせて変更してください。
- 特定の機能に関する詳細は、Veeam BR 9.5のドキュメントをご覧ください。
- お使いのQNAP NASが最新バージョンのファームウェアとアプリケーションを使用していることを確認してください。
最小構成:
- ドメインアカウントに対し、共有フォルダーへの読み書きアクセスを割り当てます (Veeam BRがドメインアカウントでES NASをマウントしている場合)。
- Windowsサーバー上のVeeam BRサービスは、NAS上の共有フォルダーに対して使われる同じドメインのユーザーアカウントでそのサーバーでの管理者権限を使って実行しなければなりません。
- DNSサーバーにはお使いのNASのDNSエントリーがあります。
- BRをもつWindowsサーバーは、お使いのDNSサーバーである正しいDNSサーバーのクライアントです。
- DNSサフィックスはVeeam BRをもつWindowsサーバーで正しく設定されています。
- 必要であれば、iSCSIドライブと共有フォルダーを使用してVeeam BRからのバックアップを保存できます。
アーキテクチャ

Veeam BRアーキテクチャは3つの部分から成り立っています。
- 中心のバックアップサーバー (Veeam BRサーバー):これはバックアップのソースとバックアップ先をコントロールし、管理します。
- VMバックアップソース:これは、サーバー、PC、仮想マシン、もしくはES NASのデータストアのいずれかです。
- VMバックアップ先:これは、バックアップサーバー自体か、iSCSIあるいはMicrosoftネットワーキングで接続されたネットワークストレージです。
Veeam Backup & Replication 9 for WindowsはQNAP ES NASで使用できます。
- QNAP ES NASへのデータのバックアップ
- QNAP ES NASからのデータの復元
システム設定
このデモンストレーションでは、次の構成を使用しています。
- ストレージデバイス:QES 2.0.0.またはそれ以降が動作しているQNAP ES NASシリーズ。
- ESXi ホスト:VMware vSphere ESXi 6.5
- Veeam BR Server: Windowsサーバー 2012 R2 64ビット (vSphere ESXi 上の仮想マシン)
サーバーネットワーク設定 | ||
---|---|---|
設定 | 値 | 説明 |
ADサーバー IP | 192.168.8.10 | Active Directoryサーバー (axellab.local) |
vCenterサーバー IP | 192.168.8.23 | vCenterサーバー 6.5 |
ESXi 1 ホスト | 192.168.8.24 | cluster1 内のESXi サーバー |
ESXi 2 ホスト | 192.168.8.25 | cluster1 内のESXi サーバー |
ストレージネットワーク設定 (サイトA) | ||
---|---|---|
設定 | 値 | 説明 |
SCA 管理用 IP | 192.168.8.40 | コントローラー A の管理用 IP |
SCA Ethernet1 IP | 10.10.8.40 | コントローラー A のデータポート 1 用 IP |
SCA Ethernet2 IP | 10.10.12.40 | コントローラー A のデータポート 2 用 IP |
SCB 管理用 IP | 192.168.8.41 | コントローラー B の管理用 IP |
SCB Ethernet1 IP | 10.10.8.41 | コントローラー B のデータポート 1 用 IP |
SCB Ethernet2 IP | 10.10.12.41 | コントローラー B のデータポート 2 用 IP |
バックアップソースプール | VeeamSRC | コントローラーAのRAID 0プール |
バックアップデスティネーションプール | VeeamDST | コントローラーBのRAID 10プール |
iSCSI LUN1 | VeeamSRC | VeeamSRCプール上の本番用VMに対するiSCSI LUN |
共有フォルダー | VeeamDST | VeeamDSTプール上のVMバックアップ先 データストア |
Veeam BRの設定
Veeam BR (Veeam BR Server) をインストールするにはクライアントPCが必要です。VMware vSphere ESXi に基づいて仮想マシンを作成しています(Veeam BRサーバーの設定は以下の表)。Windowsサーバー上のBRサービスは、NAS上の共有フォルダーに対して使われる同じドメインのユーザーアカウントでそのサーバーでの管理者権限を使って実行しなければなりません。
今回の場合、ドメインは「axellab.local」です。
Veeam BR Serverの情報 | |||||
---|---|---|---|---|---|
オペレーティングシステム | Windowsサーバー 2012 R2 64ビット (仮想マシン) | ||||
FQDN名 | VeeamA.axellab.local | ||||
CPU/RAM | Intel Xeon CPU E3-1220 v3 3.10GHz (2プロセッサー) / 8.00 GB | ||||
ネットワーク設定 | IP アドレス | サブネット | ゲートウェイ | DNS | |
内部ポート | 192.168.8.51 | 255.255.248.0 | 192.168.8.1 | 192.168.8.10 | |
データポート1 | DHCP | 255.255.252.0 | - | - | |
データポート2 | DHCP | 255.255.252.0 | - | - |
Veeam BRのインストール
- Veeam BR 9.5のインストレーションイメージを起動します。「インストール」をクリックします。
- ライセンス条項を読み、承諾します。「次へ」をクリックします。
- 「表示」をクリックし、Veeam BRファイルを選択します。「次へ」をクリックします。
- 「表示」をクリックして、インストール先を選択します。「次へ」をクリックします。
- Veeam BRがシステム設定をチェックします。お使いのシステムが最小要件を満たさない場合は、「インストール」をクリックして足りない機能をデプロイしてください。ステータスのすべてが「合格」となったら、「次へ」をクリックします。
- 「インストール」をクリックします。インストレーションプロセスには、少し時間がかかります。「インストレーションが成功しました」というウィンドウが表示されたら、「終了」をクリックしてVeeam BRのインストレーションを終了します。
- Veeam BR 9.5を起動してバックアップ先の名前かIPアドレス、バックアップサーバーのポート番号、ユーザーのログイン資格情報を入力します。「接続」をクリックします。この例では、「localhost」を使用します。
- ログインすると、次のようなインターフェイスが表示されます。
QNAP ES NAS設定
VMソースのデータストア設定:
VMソースのデータストアは本番用の仮想マシンが保存されている場所です。この例では、それを「VeeamSRC」と名付けています。
基本的なVMアーキテクチャを変更することは簡単ではありませんが、VMソースのデータストアとしてiSCSI LUNを使用することをおすすめします。
- バックアップと復元の性能を高めるため、仮想マシンの仮想ディスクタイプを「シックプロビジョニング」に設定することをおすすめします。参照: Veeam公式Webサイト
- iSCSI LUNは、Veeamプロキシサーバーのバックアップ性能を高める効果があります。(詳細は後述)。
VMデスティネーションのデータストア設定:
この例では、Veeam BR上にマウントされたVMデスティネーションデータストアの名前を「VeeamDST」としました。VeeamのVMバックアップデータを保存するためにVeeamDSTが使われています。
データストアをES NASからVeeam BRサーバーに接続する前に、ファイルのバックアップにiSCSI LUNかまたは共有フォルダー (推奨) をES NAS上に作成する必要があります。詳しい情報については、次のアプリケーションノートを参照してください。QNAPエンタープライズクラス ES NAS を用いたNFSによるVMware ESXiデータストアの設定
共有フォルダーに対する推奨設定:
- Veeamではバックアップ速度を上げるためにバックアップデスティネーションプールに対しRAID 10を使用することを推奨しています。参考リンク:Veeam公式Webサイト
- バックアップ先データストアに対してはひとつの共有フォルダーの利用を推奨しています。
- I/O性能を上げるため、ES NAS上のターゲットシェアでは重複排除と圧縮を無効にすることを推奨しています。
- ES NAS上のターゲットシェアではプール容量の90%を超えないようにお勧めしています。このプールはほとんどフルの状態では容量がランダムに割り当てられるため、性能が低下します。
VM DSTデータストアの設定については以下の表と画像を参照してください。
VMソースのデータストア設定 | ||||
---|---|---|---|---|
ストレージ |
名前 |
RAID タイプ |
容量 |
説明 |
プール |
VeeamDST |
RAID 10 |
5.08 TB |
コントローラーBのVMデスティネーションプール |
共有 |
VeeamDST |
なし |
3.50 TB |
プール「VeeamDST」のVM DSTデータストア。 |

Veeam BRサーバーを用いてES NAS共有フォルダーに接続します。
Veeam BRをQNAP NAS上の共有フォルダーで使用するには、次のことを行う必要があります。
- NASに共有フォルダーを作成し、バックアップファイルを保存します。
- ドメインアカウントに対し、共有フォルダーへの読み書きアクセス権を割り当てます (Veeam BRがドメインアカウントでES NASをマウントしている場合)。
- Veeam BRを開きます。「バックアップ インフラストラクチャ」をクリックし、「バックアップ リポジトリ」を選択し、右のウィンドウで右クリックして「バックアップ リポジトリを追加」を選択します。
- データストアの名称を入力します。「次へ」をクリックします。
- 「共有フォルダー」を選択します。「次へ」をクリックします。
- 共有フォルダーのパスを入力し、ゲートウェイサーバーに対し「自動選択」を選択します。「このシェアはアクセス資格情報が必要」を有効にし、「追加」をクリックします。
注意: 手順に従い、ご自身の共有フォルダーパスをチェックします。
(QESにログイン > 「共有フォルダー」のデスクトップアイコンをクリック > Veeamにマウントしたい共有フォルダーをクリック > アクション > プロパティの編集 > 共有パスをコピー) - ES NAS管理者のユーザー名とパスワードを入力します。「OK」をクリックします。
- 資格情報が表示されます。「次へ」をクリックします。
- バックアップ リポジトリに対するタスク制限:
- 同時タスクの最大数はバックアップ リポジトリで利用可能なCPUコア数に依存します。タスク制限は次のルールを用いて定義することを強くおすすめします。1 タスク = 1 CPU コアコアあたり2 GB RAMを設定することをおすすめします。
- 通常のバックアップチェーンでは、Veeam Backup & Replicationはジョブあたりひとつのタスクを作成します。
VMごとのバックアップチェーンでは、Veeam Backup & ReplicationはVMチェーンごとにひとつのタスクを作成します (つまりそれぞれのVMがジョブに追加されます)。
バックアップコピーのジョブに対しバックアップ リポジトリを使用する場合、読み込み操作に対するタスクも考慮する必要があります。 - バックアップ リポジトリに対するタスク数を制限する場合、ストレージスループットに配慮してください。ご自身で割り当てたタスク数にまでストレージシステムが追従できないと、それが制限事項になります。バックアップインフラストラクチャのコンポーネントとリソースをテストし、それらが取り扱うことのできるワークロードを定義することをおすすめします。
参照: Veeam公式Webサイト
- 「詳細設定」で「バックアップファイルデータブロックを整合」を有効にします。「OK」をクリックします。
- 「適用」ページになるまで「次へ」をクリックします。設定が完了したら、「終了」をクリックします。
- データストアリストに「VeeamDST」が表示されます。
仮想化サーバーとホストの追加
ここでは、ハイパーバイザーインフラストラクチャとしてVMware vSphereを使用します。
バックアップ、複製、その他の作業でのソースとターゲットとして使用する予定のバックアップインフラストラクチャにVMware vSphereを追加する必要があります。
VMware vCenter ServersおよびESX(i) ホストを追加できます。ESX(i) ホストがVMware vCenter Serverで管理されている場合、スタンドアロンのESX(i) ホストではなくVMware vCenter Serverを追加することをおすすめします。VMをVMware vCenter Serverによって管理されているESX(i) ホストの間に移動する場合、Veeam Backup & Replicationではジョブの再設定を行う必要はありません。Veeam Backup & Replicationは自動的に移行したVMを見つけ、通常通りそれの処理を継続します。
- Veeam BRを開きます。「バックアップ インフラストラクチャ」をクリックし、「管理対象サーバー」を選んでから、「VMWARE VSPHERE」を選択します。
- vCenterのIPアドレスを入力し、「次へ」をクリックします。
- 「追加」をクリックしてvCenterのログイン資格情報を入力します。
- 正しくvCenterに接続されたら、「終了」をクリックします。これでvCenterサーバーおよび全VMware ESXiサーバーが表示されるようになります。
Veeamプロキシサーバーのインストール
プロキシサーバーについて
- 転送モード
ジョブの効率とジョブ完了までの時間は転送モードに大きく影響されます。転送モードは、Veeam Data MoveがソースからVMデータを取り出し、ターゲットにVMデータを書き込む際に用いるメソッドです。
データ取り出しでは、Veeam Backup & Replicationが次のモードを提供します (効率のよい順)。- ダイレクトストレージアクセス [san] (最良の性能)
- 仮想アプライアンス [hotadd]
- ネットワーク [nbd]
参考:Veeam公式Webサイト
- ダイレクトストレージアクセス [san] モードでVeeamバックアップジョブがトリガーされるタイミング。
参考:Veeam公式Webサイト
バックアッププロキシは、バックアップインフラストラクチャの中でバックアップサーバーと他のコンポーネントの間に位置します。バックアップサーバーがタスクを管理している間、プロキシがジョブを処理し、バックアップトラフィックを作ります。
プロキシサーバーの設定
- 2つのプロキシサーバーを作ってから、その環境 (この例ではVMware環境) 内のサーバー上にVeeam Brをインストールします。
- 2つのプロキシサーバーにおいて、VMソースLUNターゲット (バックアップしよとするVM中のLUN) に接続します。
(オプションの手順:VMソースデータストアとしてiSCSI LUNを使用している場合)
- メインのVeeamサーバーに進みます。「バックアップ インフラストラクチャ」をクリックし、「バックアッププロキシ」を選択し、右のウィンドウで右クリックして「VMware場合プロキシを追加」を選択します。
- 「新規追加」をクリックしてVeeamプロキシサーバーを追加します。資格情報を入力します。「次へ」をクリックします。
- 「転送モード」に進み、「選択」をクリックします。Veeamは「自動選択」を推奨します。
- 設定の後、サーバーリスト内にVeeamプロキシサーバーが現れます。
参照:
https://helpcenter.veeam.com/docs/backup/vsphere/add_vmware_proxy.html?ver=95
バックアップ
Veeam BRは、Windows、Linux、macOS、VMwareサーバーなど多彩な種類のサーバーやコンピューターをバックアップできます。Veeam BRは、仮想マシンやディスク、ファイルもバックアップできます。
このセクションではデータをQNAP ES NASにバックアップしてみます。
ES NASのデータストアへのバックアップ
バックアップジョブの作成
Veeam BRは、Veeam BRのサーバーリストにある物理/仮想サーバーやコンピューターをバックアップできます。この例では、仮想マシンをES NASにバックアップします。
- 「ホーム」をクリックし、「ジョブ」を選択し、右ウィンドウで右クリックしてから、「VMware vSphere...」をクリックします。
- ジョブ名入力し、「次へ」をクリックします。
- 「追加...」をクリックして、VMをバックアップに追加します。「次へ」をクリックします。
- この手順では、バックアップリポジトリを選びます。プロキシサーバーはバックアップのコンピューティング負荷を共有し、転送モードを「SAN」にトリガーする役目をします。
「VeeamDST」をバックアップリポジトリとして選択し、「詳細」をクリックします。
- 「詳細設定」ではデータ量削減 (デフォルトではどのオプションも選択) と圧縮レベルを設定できます。
Veeamは、読み込みブロックのサイズと重複排除のためのハッシュ計算に影響する4種のストレージ最適化設定を提供します。
ローカル – ディスクベースのリポジトリを使用する際の推奨この設定が選択されている場合、Veeamはデータを読み込み、1 MBのかたまりでハッシュを計算します。
LAN – これはSMB共有などファイルベースのリポジトリを使用している場合に推奨されます。この設定が選択されている場合、Veeamはデータを読み込み、512 KBのかたまりでハッシュを計算します。
WAN – これはバックアップが低速の接続を介して行われる場合や、メモリとバックアップ性能を犠牲にして最小のバックアップファイルを作成する複製時に推奨されます。この設定が選択されている場合、Veeamはデータを読み込み、256 KBのかたまりでハッシュを計算します。
ローカル (16 TB超) – これはジョブのソースデータが16 TBを超える大きなバックアップジョブの場合に推奨されます。この設定が選択されている場合、Veeamはデーハッシュタを読み込み、4 MBブロックでデータを計算します。
この小さなブロックサイズではハッシュ計算により大量のCPUリソースが必要となり、ハッシュ保存のためにより多くのRAMが使われます。
ES NAS共有フォルダーでもっとも効率の良いソリューションとなる「LAN」をおすすめします。 - スケジュール設定ページで、バックアップジョブのスケジュールを設定できます。バックアップジョブの数が多い場合、各ジョブのVM容量とバックアップ時間に応じて調整してバックアップスケジュールをずらすことをおすすめします。
例: バックアップジョブが100ある場合、1000のVMがバックアップされる必要があります。
- スケジュール設定完了後、次のページに進み、「終了」をクリックします。
- バックアップジョブで右クリックし、「開始」をクリックします。
- バックアップジョブを実行する際、バックアップジョブとVMをクリックするとそのバックアップ転送モード [san] が表示されます。
- ネットワークトラフィック設定
バックアップ性能に影響を与えるもうひとつのパラメータが「ジョブに対し複数のアップロードストリームを使用」です。デフォルトでは、Veeam Backup & Replicationは各ジョブセッションに対しマルチスレッドのデータ転送を使用します。
「設定」を開き、「ネットワークトラフィック」に進んで「ジョブごとに複数のアップロードストリームを使用」を選択します。これは10以上の設定を推奨します。
コンピューターディスク/ファイルをES NASにバックアップ
Veeam BRはファイルレベルのバックアップも提供します。
ただし、ファイルレベルのバックアップではバックアップしようとするサーバーを一台だけ追加しなければなりません。
この例では、一台のvCenterサーバーをVeeam BRに追加します。このvCenterには多くの仮想マシンが含まれます。Veeam BRは仮想マシンだけをバックアップできます。「ADのディスク C:\」をバックアップするには、「ADサーバー」をサーバーリストに追加します。
- 「バックアップ インフラストラクチャ」をクリックし、「管理対象サーバー」を選択し、右のウィンドウで右クリックして「サーバーを追加」を選択します。
- ここでのADサーバーはMicrosoft Windows Server 2012 R2であるため、「MICROSOFT WINDOWS」を選択します。
- ADサーバーのDNS名またはIPアドレスを入力します。「次へ」をクリックします。
- 「次へ」をクリックします。
- 「次へ」をクリックします。
- 「終了」をクリックします。
- ADサーバーはVeeam BRにマップされます。
- 「ファイル」をクリックし、「ad.axellab.local」サーバーを見つけ、「ローカルディスク (C:)」を選択します。右のウィンドウに、ADサーバーのディスク (C:) 上のファイルがあります。
- 新しいバックアップジョブを作ることで、ディスク、フォルダー、ファイルがバックアップできます。
- バックアップジョブの名前を入力し、[次へ]をクリックしてください。
- VMware ESXiサーバーをバックアップファイルの保存用に選択し、「表示」をクリックしてVMware ESXiサーバーにマウントされたストレージを選択します。
- バックアップファイルを保存するQNAP ES NASストレージの「FAEFileServer」を選択します。
注意:
VMware ESXiデータストアの設定に関する詳細は、次のデータシートを参照してください。
# iSCSIドライブ:
QNAPエンタープライズクラスのES NASを用いたiSCSI によるVMware ESXiデータストアの設定
# Shared Folder:
QNAP エンタープライズクラス ES NAS を用いた NFS による VMware ESXi データストアの設定 - バックアップスケジュールを設定し、「作成」をクリックします。
- 「終了」をクリックします。
- ファイルコピージョブが表示されます。
VMwareデータストアファイルをES NASにバックアップ
VMware ESXi内のVMwareデータストア (iSCSIドライブ、共有フォルダー) をバックアップする場合、Veeam BRはそのデータストアのファイルやフォルダーをバックアップできます。
- 「ファイル」をクリックし、ESXiサーバーのデータストアを見つけます。
- QNAP ES NASデータストア「LUN_BackiSCSI」を選択します。バックアップするファイルを右クリックし、「ファイルコピージョブに追加 > 新規ジョブ」を選択します。
- バックアップジョブ設定をバイパスし、ファイルコピージョブが表示されます。
ES NASからのデータの復元
Veeam BRはシンプルな操作でデータを復元します。このセクションでは、Veeam BRを用いてES NAS SRCデータストアからVMを復元する方法について説明します。
- 「ホーム」をクリックし、「復元」を選択します。バックアップが完了しているジョブがすべて列挙されます。
- 復元ジョブを設定し、「次へ」をクリックします。
- 復元しようとするVMを追加してから、「次へ」をクリックします。
- 「元の場所に復元」を選択し、「次へ」をクリックします。
- 復元の理由を追加し、「次へ」をクリックします。
- 「終了」をクリックする前に、「復元後にターゲットのVMをオンにする」を選んで有効にします。
VMはその元の場所かあるいは新しい場所に復元できます。VMを元の場所に復元する場合、復元処理の前にプライマリVMは自動的にオフされ、削除されます。この種類の復元処理は、もっとも速い復元で、VM設定を変えてしまうようなミスの可能性を減らします。
- 「終了」をクリックし、復元ジョブを実行します。
復元性能について
- Veeamはその復元プログラムを使用するにあたってのベストプラクティスを提供していません。ただし、VeeamがSANの転送モードをトリガーできるのであれば、復元性能は良くなります。参照: Veeam公式Webサイト
- 内部テスト (10G LAN) では、同時に4つのバックアップジョブを実行しながら復元操作が行われました。復元性能は100 MB/秒以上を維持できます。
# バックアップジョブ:


# 復元ジョブ:
