静的ボリュームとシンボリューム、そしてシックボリュームの違いはなんですか?


最終更新日: 2025-07-01

該当製品

  • ストレージ&スナップショット
  • QTS

静的ボリューム

静的ボリュームは、シンプルで使いやすいボリュームで、そこには、ボリューム作成で選択したディスク/RAID 上で利用可能なストレージ容量がすべて含まれます。静的ボリュームには、ストレージプールがなく、スナップショットや Qtier のような高度なストレージ機能はサポートしていません。ただし、静的ボリュームは SSD キャッシングを活用することはできます。静的ボリュームは、スナップショットや Qtier のような機能が必要ない場合で、NAS の全ディスクを使用するシンプルな単一ボリュームを作成する際に推奨されます。また、このシンプルさゆえに、静的ボリュームは他のボリュームタイプよりも若干性能が高くなります。


シンボリュームとシックボリューム

シンボリュームシックボリュームは、フレキシブルボリュームとも呼ばれますが、これらはストレージプール内に作成されます。ストレージプールには、プールを作成で選択したディスク/RAID上で利用可能なストレージ容量がすべて含まれます。プールがいったん作成されると、フレキシブルボリュームを作成することができるようになり、必要に応じてプール内にストレージ領域が割り当てられます。フレキシブルボリュームは、スナップショット、Qtier、SSD キャッシングなどの高度なストレージ機能をサポートします。

さらにフレキシブルボリュームは、サイズ変更、シンタイプとシックタイプの相互変換、スナップショットレプリカによるリモートストレージプールへのバックアップも可能です。

シンボリュームは、ボリュームにデータが書き込まれる時点でストレージプール内に領域を割り当てます。プール領域で使用されるのはボリューム内のデータのサイズ分だけであり、ボリューム内の空き領域はプール領域を占めません。データがボリュームから削除されると、その領域は開放され、ストレージプールの空き領域に戻されます。プールの空き領域は、すべてのシンボリュームで共有されるため、データがシンボリュームに書き込まれ続ける中でプールに十分な空き領域があるかどうかについて NAS 管理者は気を配らなければなりません。プール領域が不足する場合、シンボリュームは、利用可能なプール領域が増えるまで、読み取り-削除モードあるいは読み取り専用モードになります。

複数のボリュームを作成して、それらの間で効率的にストレージプール領域を共有する必要がある場合には、シンボリュームがお勧めです。また、ボリュームスナップショットの利用を予定している場合にも、シンボリュームが適しています。シンボリュームのスナップショットを使用する場合は、そのボリュームにあるデータへの変更部分だけがスナップショットの利用領域に加わり、そのサイズは変更データ分と同じになります。

シックボリュームは、作成時にボリュームの全域分のサイズが割り当てられます。実際にどれだけのデータがボリュームに保存されているかに関係なく、ボリュームの合計サイズがプール内で常に消費されます。一方、この領域は、他のボリュームが残りの空きプール領域をすべて使い切ったとしても、このボリューム専用となります。

シックボリュームは、複数のボリュームを作成している場合に特定のボリュームに対して領域を保障する必要がある場合に推奨されます。シックボリュームの性能は、いくつかの状況下ではシンボリュームよりも若干高くなる場合があります。

注意
スナップショットをシックボリュームで使用している場合、新しいデータをボリュームの空き領域に書き込むと、その新しいデータと同サイズだけスナップショットが使用する領域が増加します。プール空き領域を監視し、定期的に古いスナップショットをリサイクルして、プール領域がなくなるのを防いでください。このため、スナップショットを使用する場合にはシンボリュームの方が適しています。

シンボリュームとシックボリュームの間での領域割り当て動作の違いは、次の図のように視覚化できます。


ボリュームタイプの比較

 ボリュームタイプ
 静的シックシン
要約総合的読み書き性能は高いが、高度な機能の大半がサポートされない性能と柔軟性のバランスがよいストレージ領域をより効率的に割り当て可能
読み取り/書き込み速度ランダム書き込みで最も高速良好良好
柔軟性柔軟性に欠ける
ボリュームを拡張するには NAS に追加ドライブを入れる方法のみ。
柔軟性が高い
ボリュームのサイズは容易に変更可能。
柔軟性が非常に高い
ボリュームのサイズ変更可能。未使用領域は回収され、親ストレージプールに戻される。
親ストレージ領域RAID グループストレージプールストレージプール
親ストレージ領域内で許されるボリューム1 つ1 つ以上1 つ以上
初期サイズ親 RAID グループのサイズユーザー指定ゼロ
ストレージプール領域は随時割り当てられ、データはボリュームに書かれます。
最大サイズ親 RAID グループのサイズ親ストレージプールのサイズ親ストレージプール内の空き領域量の20倍
シンボリュームのサイズは、親ストレージプールのサイズよりも大きくなることが可能。これはオーバーアロケーションと呼ばれます。
データ削除の影響領域はボリューム内で開放される領域はボリューム内で開放されるQTS は、開放された領域を回収し、親ストレージプールに戻すことができます。
ストレージ領域の追加方法
  • RAID グループにディスクを追加する
  • 既存のディスクをより大容量のディスクに交換する
親ストレージプールからさらに領域を割り当てる親ストレージプールからさらに領域を割り当てる
スナップショットのサポート (高速バックアップと復元)いいえはいはい
Qtier サポート (自動的なデータ階層化)いいえはいはい

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