
SSDキャッシュアクセラレーション
SSDキャッシュによってQNAP NASのパフォーマンスを向上
QNAP NASにSSDキャッシュを追加し、要件に合った適切なキャッシュモードを選択することで、システム全体のパフォーマンスを向上させ、ストレージ容量を最大化し、関連コストを最小限に抑えることができます。
高速SSD搭載のNASが手の届く範囲に
SSDは、従来のハードドライブに比べて圧倒的な長所を有しています。SSDのGBあたりのコストが下がり、ストレージ容量が増えているので、最適化されたデータ効率とストレージコストの利点を最大限に活用すべく、SSD/HDDハイブリッドストレージ構造を構築するのに、今ほど適した時期はありません。

SSDキャッシュアクセラレーションとは?
SSDキャッシュは、頻繁にアクセスするデータをSSDに保存することで、より高速のストレージ、低レイテンシ、改善されたNAS総合性能、アクセス速度を実現する方法です。これは、データベース(オンライントランザクション処理、電子メールサーバー)、仮想マシン、仮想デスクトップインフラストラクチャー(VDI)など、IOPS負荷の高いアプリケーションに対して大きな効果があります。

従来のハードディスクドライブに比較したSSDの長所
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高いIOPS性能と高速レスポンス
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ディスクヘッドなし - ドライブエラーの危険が減少
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物理的により小型で静音
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低電力消費
QuTS hero、それともQTS?
ここにある情報を基に選択できます。
QuTS hero | QTS | |
---|---|---|
ファイルシステム | ZFS | Ext4 |
SSDキャッシュ | キャッシュの読み込みとインテントログの書き込み | 読み書きキャッシュ 読み取りキャッシュ 書き込みキャッシュ |
インライン圧縮 | あり (LZ4圧縮、RAWファイルおよびドキュメントファイルに理想的) |
なし |
インラインデータ重複排除 | あり (最低16 GB以上のRAMが必要) |
なし |
リモートバックアップ用のQuDedupを実装したHBS | あり | あり |
Qtier 自動階層化 | なし | あり |
停電保護(ハードウェア) | 無停電電源装置 (UPS) | 無停電電源装置 (UPS) |
停電保護(ソフトウェア) | ZIL コピー・オン・ライト (サービスは電源復帰後も継続) |
なし (「Check File System」には、停電時にファイルシステムレベルの故障リスクがあり、さらにシステムのダウンタイムが必要です) |
権限の管理 | Rich ACLs (14タイプ) | POSIX ACLs (3タイプ) + 特定の種類の権限 |
容量の拡張 | RAIDグループへのディスクドライブ追加 RAID容量のアップグレード より大容量のディスクドライブに変更 拡張エンクロージャ/JBODの接続 |
RAIDグループへのディスクドライブ追加 RAID容量のアップグレード より大容量のディスクドライブに変更 拡張エンクロージャ/JBODの接続 |
データセキュリティ | より良い (自己修復&コピー・オン・ライト) |
標準 |
ビデオ編集アプリケーション向けの推奨SSD構成 | SSDプールの使用 注記:フォルダー/LUN作成の際はブロックサイズを128Kに設定 |
編集 (オリジナル/RAWファイルから):SSDプールの使用 ポストプロダクション:読み込み/書き込みキャッシュを有効化 注記:ボリューム作成の際はブロックサイズを32Kまたは64Kに設定し、キャッシュモードは「全てのI/O」を選択してください。 |
QTS NASはQtierテクノロジ対応、SSDの長所を最大限引き出します。
Qtierテクノロジは、アクセス頻度に基づいて SSDとハードドライブ間でデータを自動的に移動し、頻繁に使用される「ホット」データへのアクセスを優先させます。QtierによるIO検知によってキャッシュのような領域が確保され、一時的にランダムリード/ライト負荷が大きなアプリケーションが必要な場合に、IOPSパフォーマンスを向上させます。
詳細を見る: QNAP NASは、SSDキャッシングと自動階層化をサポートしています
*Qtierは、2GB RAMおよびQTS 4.4.1 (またはそれ以降)を装備した、x86ベースNAS (IntelまたはAMD)および64ビットARMベースNASのみが対応しています。

QNAP NASのキャッシュ容量およびRAMの要件
QTS NAS | QuTS hero NAS | ||
---|---|---|---|
x86 ベースおよび ARM ベースの NAS QTS 5.0.0(およびそれ以降)対応 |
x86 ベースおよび ARM ベースの NAS QTS の旧バージョン(5.0.0 以前)対応 |
QuTS hero | |
SSDキャッシュ容量 | RAM要件 | ||
512GB | - | ≧ 1GB | ≧ 16GB |
1TB | ≧ 2 GB | ≧ 4GB | ≧ 32GB |
2TB | - | ≧ 8GB | ≧ 64GB |
4TB | ≧ 4 GB | ≧ 16GB | ≧ 128GB |
8TB | ≧ 8 GB(ARM ベースの NAS のみ対応) | - | ≧ 256GB |
16TB | ≧ 8 GB(x86 ベースの NAS のみ対応) | - | ≧ 512GB |
30TB | - | - | ≧ 1TB |
120TB | - | - | ≧ 4TB |
注記:
1. SSDキャッシュボリューム容量は、RAMサイズに依存します。
2. 32ビットARMベースのQTS NASは、SSDキャッシュ容量が1TBに制限されています。
3. ハードウェアの制限により、TS-216G および TS-x33 NAS は SSD キャッシュに対応していません。
4. NASのカーネルバージョンが4.2.8の場合、5.0.0以前のQTS搭載NASのRAM要件を確認してください。NASモデルのカーネルリストを参照してください。
QM2 PCIe拡張カードによるM.2 SSDキャッシュ増設
QNAPの革新的なQM2シリーズPCIeカードにより、SSDキャッシュまたはプールのキャッシングを行うためにNASでのM.2 SSD*のインストールが可能になりました。QM2は、PCIeを使用しているため、3.5インチドライブベイを占有しません。このため、ストレージ容量とパフォーマンスを最大化することができます。
詳細を見る: QM2 PCIeカード
* M.2 SSDは別売です。

* モデルによってはSSDキャッシング用に専用のトレイが備わっています。このSSDトレイはSSDキャッシング用に最適化されています。
* SSDをキャッシングではなくストレージ空間として利用する場合は、SSDはいずれのトレイにインストールしても構いません。