QSAL
複数のSSDの同時故障を防ぐQNAPの特許取得QSALアルゴリズム
ZFSベースのQuTS hero オペレーティングシステムは、QNAPが特許を取得したQSAL (QNAP SSD Antiwear Leveling)アルゴリズムに対応しており、SSD RAIDにおける複数のSSDが同時に故障するのを防止することで、データ保護を強化します。
ハードドライブに比べて、ソリッドステートドライブ (SSD) は衝撃や振動に対して耐性があり、インタフェース技術の進歩によってそのストレージ性能は向上し続けています。SSDの使用量は増加の一途をたどっており、多くのプロフェッショナルなユーザーと企業組織がSSDを幅広く活用しています。そのため、SSDの寿命を理解し、SSDデータの損失を防止することは重要です。
SSDを使用する上での課題原因と対処方法
QSAL アルゴリズム は、複数のSSDが同時に故障するのを防止します。
SSDの寿命は一定の書き込み数によって決定されるので、同一RAID内の複数のSSDが同時に寿命を迎え、データ損失を伴うRAIDクラッシュを引き起こす可能性は大いにあります。
QNAPが特許を取得したQSALアルゴリズム は、SSD RAIDの寿命と耐久性を定期的に検出します。SSD寿命が50%を下回ると、QSALは動的にオーバープロビジョニング領域を配分し、一つのSSDにデータの書き込みを集中させて、その消耗を早めます。これにより、ユーザーは適切な時にSSD交換が行えます。
QSALアルゴリズムは、各SSDが寿命に達する前にRAIDを再構築するのに十分な時間を確保できるよう支援します。これにより、複数のSSDが同時に故障するのを効果的に回避できるため、システム全体の信頼性を向上させます。
- QSALはいつでも有効にすることができ、事前に構成されていなかったSSD Parity RAIDとの互換性を有しています。
- 再構築の時間不足でSSD RAIDに損傷を与えるリスクを防ぐため、QSALの有効化はSSD寿命が残り50%になる前に行うよう、お勧めいたします。
- SSD RAID 5, 6, 50, 60, TP (トリプルパリティ)では、デフォルトでQSALが有効になっています。
QSALの利点
故障の可能性に備えて、スペアへ自動でRAIDディスクを交換
ディスク障害が発生すると、RAIDはデグレードモードに入ります。RAIDの再構築には多くの時間(数時間から数週間)がかかり、さらなるデータ損失のリスクも伴い、システムのパフォーマンスも影響を受けます。
RAID スペアディスク自動交換 (QTS 5.1 / QuTS hero 5.1以降対応)は、問題のディスクが完全に故障する前に、自動的にRAIDグループ内の影響を受けたディスクからデータをスペアのディスクに移動します。RAIDの再構築を待つ必要がないので、システムの信頼性が大幅に向上します。