HBS 3 におけるデータの整合性チェック


最終更新日: 2021-05-12

HBS 3におけるデータの整合性チェック

重要:

この機能は、HBS 3 v16およびそれ以降のサーバーで利用できます。

データ整合性チェックは、バックアップを分析し、破損したデータを修復するHBS 3の機能です。

多くのファイルの動的性質により、データが破損する可能性は多くあります。この破損は、故意でも過失でも起こり得ます。故意の破損は、マルウェアや人の行動で発生します。過失による破損は、ソフトウェア、ハードウェア、電源、ネットワーク不良などによって発生する可能性があります。

データ損失の可能性を低減させるためにもQNAPは、3-2-1バックアップ戦略(データのオリジナルの3つのコピーを保持し、異なるメディアに2つを保存して、もう1つをオフサイトに保存)の採用を推奨しています。また、セキュリティをより向上するためにも、データ整合性チェックを使用できます。

データの整合性チェックの仕組み

データ整合性チェックは、元のファイルとバックアップデータを比較し、破損が発生したかどうかを見極めます。HBS 3は、クイックチェックとコンテンツチェックの2種類のデータ整合性チェックを提供しています。

ヒント:

データ整合性チェックには、十分なシステムリソースが必要です。また、完了までには長時間かかることがあります。処理速度を最大限するためにも、QNAPは、SSDを搭載したx86ベースのデバイスの使用を推奨しています。

特長

クイックチェック

コンテンツチェック

方法

各ファイルの存在、サイズ、変更時間、ハッシュ値を比較します。

以下の方法のいずれを使用します。

  • 各ファイルの存在、サイズ、変更時間、ハッシュ値の比較

  • すべてのファイルをダウンロードして、ハッシュ値の比較を計算

対応ジョブ

HBS 3 v16以降で作成したもの

すべてのバックアップジョブは、QuDedupを無効にしたNAS-to-NASジョブを除外します

すべてのバックアップジョブ

注意:

NAS-to-NASジョブについては、対象のNASがHBS 3 v15以前を実行している場合、QuDedupを有効化したジョブのみがサポートされます。

HBS 3 v15以前で作成したもの

すべてのバックアップジョブは、QuDedupを無効にしたNAS-to-NASジョブを除外します

なし

サポートされるクラウド対象

HBS 3は現在、以下を除く、すべてのクラウド対象に対応しています。

  • Amazon Glacier

  • Amazon S3 Glacier Deep Archive

  • Azure Archive Storage

クイックチェック

クイックチェックに必要なシステムリソースやネットワークリソースは、基本的なデータ整合性を確立しますが、コンテンツチェックよりも少なくなっています。

NAS-to-NASバックアップジョブ

NAS-to-Cloudバックアップジョブ

QuDedup無効

QuDedup有効

-

利用できません

以下のメタデータは、それぞれのファイルに対して比較されます。

  • ファイルの存在

  • ファイルサイズ

  • 変更時間

以下のメタデータは、それぞれのファイルに対して比較されます。

  • ファイルの存在

  • ファイルサイズ

  • 変更時間

  • ハッシュ値(クラウドサービスによって提供される場合)

注意:

クライアント側の暗号化が有効化されているジョブについては、ハッシュ値も記録・比較されます。

コンテンツチェック

コンテンツチェックは、クイックチェックよりもデータ整合の深い分析を行います。ただし、より多くのシステムリソースとネットワークリソースが必要となります。

データは、ファイルサイズまたは変更時間を変更せずに改変できるため、ハッシュ値またはファイルコンテンツの比較は、データ破損の検出を行う、より信頼できる方法となります。

重要:

コンテンツチェックを行うには、バックアップジョブを設定する際に[データ整合性チェック]画面から[コンテンツチェック]を有効化する必要があります。詳細は、Hybrid Backup Syncドキュメントを参照してください。

NAS-to-NASバックアップジョブ

NAS-to-Cloudバックアップジョブ

以下のメタデータは、それぞれのファイルに対して比較されます。

  • ファイルの存在

  • ファイルサイズ

  • 変更時間

  • MD5ハッシュ値

注意:

対象NAS上のHBS 3バージョンは、データ整合性チェックをサポートしていません。

  • QuDedupを無効にしたジョブは対応していません。

  • QuDedupを有効にしたジョブについては、ファイルが一時的にダウンロードされ、ハッシュ値が比較用に計算されます。

ファイルが一時的にダウンロードされ、ハッシュ値が比較用に計算されます。

重要:

これにより、クラウドサービスプロバイダーから追加料金が発生することがあります。

注意:

初めて[コンテンツチェック]を有効化すると、[HBS 3]は、後で無効化してもMD5ハッシュ値の記録を継続します。

データの整合性のチェックの実行

データ整合性チェックを手動したり、バックアップの作成時にスケジュールチェックを設定できます。

頻度

クイックチェック

コンテンツチェック

手動チェック

  1. [HBS 3]を開きます。

  2. [バックアップと復元]に進みます。

  3. 既存のバックアップジョブを選択します。

  4. [データ整合性の確認]をクリックします。

  5. [クイックチェック]をクリックしてください。

  1. [HBS 3]を開きます。

  2. [バックアップと復元]に進みます。

  3. 既存のバックアップジョブを選択します。

  4. [データ整合性の確認]をクリックします。

  5. [コンテンツチェック]をクリックします。

注意:

コンテンツチェックを実行するには、バックアップジョブ設定で[コンテンツチェック]を有効化する必要があります。

スケジュール設定済みチェック

クイックチェックとコンテンツチェックスケジュールの詳細は、Hybrid Backup Syncドキュメントを参照してください。

データ破損の修復

データ整合性チェックの実行を行うとき、HBS 3が破損したファイルを見つけると、チェックの最後に自動的にファイルの修正を試行します。

重要:

自動修復は、QuDedupを無効化したNAS-to-NASバックアップジョブには利用できません。

バージョン管理がバックアップジョブに有効化されていると、HBS 3は、ハッシュ値が以前に記録されたすべてのバックアップバージョンのデータの整合性もチェックします。ただし、最新版と同じバックアップバージョンで見つかったデータの破損のみが修正されます。

たとえば、多くの最新バックアップはバージョン5に対応しています。ファイルがバックアップバージョン3の履歴全体で1度のみ更新され、HBS 3は、バージョン2のファイルが破損したことを見つけると、HBS 3は破損を報告しますが、ファイルの修復は行えません。ただし、HBS 3が、ファイルのバックアップバージョン4が破損したことを発見すると、ファイルはバージョン4と5の間で変更されないままになるためファイルを修復できません。

競合ポリシーのスケジュール設定

HBS 3は、状況に応じて、バックアップジョブとデータの整合性チェックまたはデータ破損修復のスケジュール競合を解決します。

データの整合性チェック

  • バックアップジョブが実行中のときは、HBS 3はすべての手動チェックおよびスケジュールチェックをスキップします。

  • バックアップジョブがデータ整合性チェック時に実行するようにスケジュールされている場合は、データ整合性チェックが一時停止し、バックアップジョブが終了した後で再開します。

  • クイックチェックとコンテンツチェックが同時に実行されるようにスケジュール設定されていると、コンテンツチェックのみが実行されます。

データ破損の修復

バックアップジョブが修復セッション中に実行するようにスケジュール設定されている場合は、スケジュールはジョブタイプによって解決されます。

  • QuDedupを有効化したバックアップジョブ:バックアップジョブは、次のスケジュール実行までスキップされます。

  • QuDedupを無効にしたクラウドジョブ:修復が一時停止し、バックアップジョブが終了した後で再開します。

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