オンライン RAID レベル移行
「RAID ボリュームを拡張または移行するときサーバーは停止しません」
近年のビジネスに対する新たな課題
近年のビジネスにおいては、作業効率を向上させるために重要なデータのセキュアな共有が求められていますが、それにはどのような信頼性のあるネットワーク接続ストレージを選び、設定したらよいかが課題になっています。一方で、データをバックアップすることでデータ損失のリスクを減らす必要性も増加します。企業が成長するにつれて、ビジネス上の要件の変化に対応してデータバックアップポリシーを変化させる必要が出てきます。
QNAP Turbo NASシリーズは、高性能と低いTCO (総所有コスト) を併せ持ったソリューションを現代のビジネスにご提供します。クラス随一のハードウェア仕様と使いやすいアプリケーションに加え、QNAP Turbo NASシリーズは、オンラインRAID容量アップグレード (たとえば3台の500GBから3台の1TBハードドライブへ) とオンラインRAIDレベル移行 (たとえばRAID1からRAID 5へのRAIDレベルの移行) を備えています。こういった高度な機能は潤沢な予算をもつ企業に限られていましたが、QNAPではより多くの企業がこれらの強力なテクノロジーを使えるよう、直感的な方法を導入しました。
以下では、企業がオンラインRAIDレベル移行とオンラインRAID容量アップグレードでどのようなメリットを享受できるのかをご説明します。
ユースケース
オンラインRAIDレベル移行により、ユーザーは異なるRAID構成間を移行できます。この移行プロセスはNASの電源を落とすことなく、データを損失せずに行えます。
オンラインRAIDレベル移行では、次のRAID移行をサポートします。
- シングルからRAID 1
- RAID 1からRAID 5
- RAID 5からRAID 6
ユースケース
- ジェフリーさんは、2台の500GBドライブをもったTVS-882を購入し、その2つのドライブでRAID 1構成を組んでいました。TVS-882は部署間で共有するデータのファイルサーバーとして使用されています。
- 半年後、彼の部門のストレージニーズは急激に増えました。今のTVS-882のストレージ容量では足りなくなってきました。ジェフリーは、ディスクをRAIDグループに追加し、RAID構成をRAID 5に移行することでデータの冗長性を失うことなくストレージ容量をアップグレードしようと考えました。
そのためには、次のことが必要です。
- 現在のRAIDアレイの既存ドライブと少なくとも同じ容量のハードドライブを用意。
- RAID移行を実行 (ドライブをひとつ追加して、RAID 1から RAID 5移行)。
「ストレージとスナップショット」 > 「ストレージ/スナップショット」に進みます。アップグレードするストレージプールを選択し、「管理」をクリック。ストレージプール管理ウィンドウが開きます。ページに表示される現在のディスクボリューム構成はRAID 1で、RAID容量は500GB。

新しい500GBハードドライブをNASに挿入。
ストレージプール管理ウィンドウで、「管理」 > 「RAIDグループの管理」をクリック。

アレイに追加する利用可能ハードドライブを選択。移行後のRAID移行タイプとドライブ容量が表示されます。「適用」をクリックして続行します。

![]() | 注記: RAID 移行順序はシングル > RAID 1 > RAID 5 > RAID 6 にする必要があります。 |
選択したドライブ上のすべてのデータが消去されます。「OK」をクリックして確定します。

移行の進捗状況が「状態」の下に表示されます。

![]() | 注記: 移行プロセスが11%~49%の間にある時は、ストレージプールは「読み取り専用」モードになります。 |
移行完了後、新しいドライブ構成はRAID 5になり、状態は「準備完了」になります。これで新しいドライブ構成の利用を開始できます。

ドライブサイズによっては、このプロセスの完了までに数時間から数十時間かかる場合があります。プロセスが完了するまでお待ちください。NASの電源を切らないでください。
オンラインのRAIDレベル移行とRAID容量拡張の同時使用
ケースシナリオ
- ジェフリーは、早急にFTPを設定し、ファイルサーバーを立ち上げたいと考えています。
- 当初の計画は 3TBのストレージ容量をもつRAID 5ネットワークデータセンターを TVS-882で設置することでした。
- ジェフリーが持っていたのは、250GBのハードドライブ1台だけで、これではシングルディスク構成のTVS-882しか設定できません。
- ジェフリーは元のデータをすべて維持したままで、TVS-882のディスク構成をRAID 5にアップグレードし、合計ストレージ容量を3TBに拡張する計画を立てています。
ジェフリーさんは4台の1TBドライブを購入し、そのドライブのうち3台をNASに挿入します。彼はオンラインRAIDレベル移行を実行し、シングルディスクからRAID 1にシステムを移行します。新しくインストールされた1TBドライブの1台は、移行時にRAIDに追加されます。ミラーされたRAIDの合計ストレージ容量はまだ 250GBですが、冗長性を得ています (RAIDのサイズはアレイの最小容量のドライブに規制されます)。
その後ジェフリーは、オンラインRAIDレベル移行を実行し、システムをRAID 1からRAID 5に移行します。NASの2台目の1TBがRAIDに追加されます。RAIDの総ストレージ容量は500GB (250GB x 3から冗長性の部分250GBを引いた値)になります。
NASの1TBドライブがディスク追加機能を利用して RAIDグループに追加されます。RAIDストレージ容量は750GBになります。
ジェフリーは、オンラインRAID容量拡張を実行し、250GBハードドライブを1TBドライブ1台にホットスワップします。最終的なRAIDストレージ容量は3TB (1TB x 4から冗長性の部分1TBを引いた値) になります。