QNAP QSW マネージドスイッチでの FEC 設定とそのトラブルシューティング


最終更新日: 2024-11-22

該当製品

ハードウェア

  • QSW-M7308R-4X
  • QSW-M5216-1T

ソフトウェア

  • QSS v1.4.2 以降
  • QSS Pro v4.0.0 以降

概要

Forward Error Correction (FEC) は、エラー訂正ビットとして知られる余剰ビットをデータと共にコード化するデータ通信手法で、高速伝送 (100G/25G) や長距離ネットワーク伝送においてもエラーの検出と訂正ができるようになります。受信者は、この余剰ビットを用いて、受信したデータを伝送データに照らし合わせることができます。エラーが検出された場合は、受信者は付加されている FEC ビットを使用してエラーを訂正し、元データが持っていた正しい値を得ることができます。

手順

  1. QSS にログインします。
  2. [ポート管理] > [ ポート構成]に進みます。
  3. [インターファイスの設定]で、スイッチングポートを確認します。
  4. [FEC]の下で、ドロップダウンリストからモードを選びます。
    FEC モード説明
    すべてスイッチは、データパケットの送受信のために、最良の FEC モード (自動ネゴシエーション FEC モード以外) を自動的に選択します。
    RS-FECリードソロモン符号 (RS) FEC は、デバイスの送受信において、強力なデータ訂正率を発揮します。
    BASE-R-FECファイア符号 FEC または BASE-R-FEC は、25 GbE のスイッチングポートにおいて RS-FEC よりも弱い訂正率ですが、低遅延です。
    自動ネゴシエーションスイッチングポートの電子バックプレーン上での利用に際しては、Clause 73 自動ネゴシエーションを使用してください。FEC 自動ネゴシエーション (AN) 要求メッセージは、スイッチングポート間でネゴシエーションされる FEC プロセスを決定するために送信されます。
    無効すべてのスイッチングポートで FEC を無効にします。
    注記
    • リンク機能を自動的に決定し、FEC の手動設定をなくすには、自動ネゴシエーションを使用します。自動ネゴシエーションされた FEC は、ネットワークの状況に合わせてデータレートを調整する必要がある場合に使用するのが最適です。
    • データレートがノイズやその他のデータ損失源から追加の保護を必要とする場合には、RS-FEC を用います。
    • BASE-R-FEC は、高速で動作するネットワークで使われます。これは利用可能な中では最速の FEC で、ミッションクリティカルなネットワークやアプリケーションに最適です。
    • 特定のネットワークカードでは、スイッチとカードの間で Forward Error Correction (FEC) 設定による手動のマッチングが必要になります。対応ネットワークカードの詳細リストについては、「QNAP 互換性リスト」を参照してください。
    ヒント
    インターフェイスに適用されている現在の FEC モードを表示するには、[ポート管理] > [ポート状態]に進みます。
  5. [保存]をクリックします。

QSS が、選択されたスイッチングポート上の FEC モードを保存します。

よくある FEC の問題に対するトラブルシューティング

シナリオ 1:よくある FEC 対応上の問題に対するトラブルシューティング

リンクアップ接続に30秒以上かかる場合や、カードとスイッチの間の接続が確立されない場合、FEC モードのミスマッチの可能性を調査することをお勧めします。リンクアップに時間がかかったり、リンクアップがまったくうまくいかないのは、ネットワークデバイスの送受信における FEC モード設定のミスマッチが原因であることがあります。このセクションでは、100Gbpsまたは25Gbpsで動作しているネットワークカードと QNAP スイッチの間で発生する FEC モードのミスマッチ状態を回避する対策をご説明しあす。

FEC モード:すべて

NIC OS プラットフォーム:Windows、Linux

回避策 1:両方のデバイスで同じ FEC モードを選択する

回避策の手順
  1. 2つのデバイスを接続している Ethernet ケーブルを抜きます。
  2. 同じ FEC モード (RS-FEC、BASE-R-FEC など) を選択するか、または両方のデバイスで FEC を無効にします。
  3. FEC 設定を保存します。
  4. Ethernet ケーブルをスイッチの空きポートに確実に差し込んでから、Ethernet ケーブルの反対側をネットワークカードのポートにつなぎます。

回避策 2:FEC モードを 自動ネゴシエーション に変更する。

回避策の手順

  1. 2つのデバイスを接続している Ethernet ケーブルを抜きます。
  2. QNAP スイッチで、FEC モードを自動ネゴシエーション に変更します。
  3. スイッチ の FEC 設定を保存します。
  4. Ethernet ケーブルをスイッチの空きポートに確実に差し込んでから、Ethernet ケーブルの反対側をネットワークカードのポートにつなぎます。

FEC モード:RS-FEC、BASE-R-FEC、無効

NIC OS プラットフォーム:Linux

回避策 1:両方のデバイスで同じ FEC モードを設定する

回避策の手順

  1. 2つのデバイスを接続している Ethernet ケーブルを抜きます。
  2. FEC モード (RS-FEC、BASE-R-FEC) を選択するか、またはスイッチの側で FEC を無効にします。
  3. スイッチ の FEC 設定を保存します。
  4. ネットワークカードで、同じ FEC モードを選択します。
    $ethtool --set-fec swp1 encoding [off | BaseR | auto]
  5. ネットワークカード で FEC 設定を保存します。
  6. Ethernet ケーブルをスイッチの空きポートに確実に差し込んでから、Ethernet ケーブルの反対側をネットワークカードのポートにつなぎます。

ここでは、任意の FEC モード、たとえば RS-FEC を設定した時に、スイッチでネットワークカードがリンクアップできないという状況で説明します。

  1. 2つのデバイスを接続している Ethernet ケーブルを抜きます。
  2. スイッチで、FEC モードを BASE-R-FEC に変更します。
  3. スイッチ の FEC 設定を保存します。
  4. ネットワークカードで、BASE-R-FEC を選択します。
  5. ネットワークカード で FEC 設定を保存します。
  6. Ethernet ケーブルをスイッチの空きポートに確実に差し込んでから、Ethernet ケーブルの反対側をネットワークカードのポートにつなぎます。

QSS が FEC モードを BASE-R-FEC に変更します。

回避策 2:ネットワークカード で FEC モードを再設定する

回避策の手順

  1. 2つのデバイスを接続している Ethernet ケーブルを抜きます。
  2. ネットワークカード で FEC を無効にします。
    $ethtool --set-fec swp1 encoding [off]
  3. FEC 設定を保存します。
  4. ネットワークカードで、FEC モードを希望のモードに変更します (RS-FEC)。
  5. FEC 設定を保存します。
  6. スイッチの側で、FEC モードを RS-FEC に変更します。
  7. FEC 設定を保存します。
  8. Ethernet ケーブルをスイッチの空きポートに確実に差し込んでから、Ethernet ケーブルの反対側をネットワークカードのポートにつなぎます。

    QSS が FEC モードを RS-FEC と表示します。

FEC モード:自動ネゴシエーション

NIC OS プラットフォーム:Windows、Linux

回避策 1:両方のデバイスで同じ FEC モードを選択する

回避策の手順

  1. 2つのデバイスを接続している Ethernet ケーブルを抜きます。
  2. 同じ FEC モード (RD-FEC、BASE-R-FEC など) を選択するか、または両方のデバイスで FEC を無効にします。
  3. FEC 設定を保存します。
  4. Ethernet ケーブルをスイッチの空きポートに確実に差し込んでから、Ethernet ケーブルの反対側をネットワークカードのポートにつなぎます。

回避策 2:FEC モードを ALL に変更する

回避策の手順

自動ネゴシエーションを選択する際に、接続されているネットワークカードが IEEE802.3ap 標準に準拠していない場合は、スイッチで接続上の問題が生じることがあります。

  1. 2つのデバイスを接続している Ethernet ケーブルを抜きます。
  2. スイッチの FEC モードを ALL に変更します。
  3. FEC 設定を保存します。
  4. Ethernet ケーブルをスイッチの空きポートに確実に差し込んでから、Ethernet ケーブルの反対側をネットワークカードのポートにつなぎます。

シナリオ 2:QSW-M5216-1T での FECモード表示が不一致の場合のトラブルシューティング

設定した FEC モードと、WSW-M5216-1T スイッチで表示される FEC モードが、リンクアップ状態の間に時々不一致を起こすことがあります。

次の例では、QSW-M5216-1T スイッチの FEC モードを RS-FEC から 無効に変更することで、設定した値と QSS に表示されるモードが一致しなくなります。実際の FEC モードが無効にされた場合、QSS では引き続き RS-FEC と表示されます。

回避策

  1. 2つのデバイスを接続している Ethernet ケーブルを抜きます。
  2. Ethernet ケーブルをスイッチの空きポートに確実に差し込んでから、Ethernet ケーブルの反対側をネットワークカードのポートにつなぎます。
  3. QSS にログインします。
  4. [構成] > [ポート管理] > [ポートの状態]に進みます。

QSS が、設定された FEC モードを表示します。

注記
この回避策は、QNAP QSW-M5216-1T スイッチおよび対応している特定のネットワークカード専用です。問題が解決しない場合は、QNAP カスタマーサービスにご連絡ください。

さらに読む

Linux でのネットワーク開発:FEC エンコーディングコントロールのサポート

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